墨汁一滴
「風景７２」への返信 - しげとし
2020/11/22 (Sun) 17:17:01
安倍晋三、菅義偉にドナルド・トランプねー。確かに、どこか似ている。民主主義を踏み壊すような者であってもその国の指導者として選んでしまうことがあるのが民主主義だということを僕たちは肝に銘じておかなければならないと思う。
トランプ大統領といえば、米国のニューヨークで開かれたUN Climate Action Summit 2019（国連気候行動サッミト）に集まった世界の首脳を非難した（注）スエーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ（Greta Thunberg）さんをＳＮＳでからかっていたが、今回の大統領選挙では逆に、「とてもばかげている。ドナルドは怒りをコントロールする自分の問題に取り組んでから、友人と映画でも見に行くべきだ。落ち着け、ドナルド、落ち着け！」と同じ言葉でしっぺ返しをされている。
さて、「地球の温暖化」で問われているのは人間の経済活動の在り方だが、「COVID-19（新型コロナウイルス感染症）」のパンデミックが問うているのも同じであろう。本来人に感染することがなかったウイルスが「SARS-CoV-2」のように人に感染するウイルスに変異したのは、人間の生態系への無秩序な進出（人間の経済活動）が原因だといわれている。
生物学に「共生」とか「住み分け」という言葉があるが、頻発するパンデミックは、僕たち人間が開発という名の下に他の生物の領分を侵してしまった結果だといえると。そして、「地球の温暖化」と頻発するパンデミックが共に問うているのは、「経済発展至上主義」だと思う。
さすれば、菅義偉首相が来日したＩＯＣのトマス・バッハ会長に、来年東京でオリンピックを開催することを「人類がウイルスに打ち勝った証」だと言ったそうだが、その考えは誤りであろう。
今回のパンデミックが来年オリンピックを開催できるほど直ぐに収束するとは思えないが、たとえ収束できたとしても、それは問題の先送りに成功したに過ぎない。「人類がウイルスに打ち勝った」などと考えていれば、やがて自然からもっと手痛いしっぺ返しを受けることになる。
（注）グレタさんの国連での演説は、２０１９年９月に万里さんが、『未来のための金曜日（Fridays For Future）』という題名で全文を紹介してくれます。
余滴２０２０１１ＴＡ 「風景７２」への返信
Re: 「風景７２」への返信 - ひろおか
2020/11/26 (Thu) 23:13:17
陽子さん、“自分たちに付けた「ホモ・サピエンス」などという呼称などは恥ずかしくて返上だわね。”には、同感だ。
ところで、「COVID-19（新型コロナウイルス感染症）」への対策の陰に隠れて、日本学術会議が推薦した会員候補６人を菅義偉首相が任命しなかったことについての僕たちの関心が薄れて来てはいないだろうか？
前者は、僕たちの命や暮らしに直ぐに影響してくることであり、後者は、直ちに影響してくることではない。しかし後者が内に持つ問題は、これからの僕たちの命や暮らしの質に深く係わって来る。
目の前の事であれば、野生の動物であっても考える。しかし、それと同時にこれから先のことやその質について考えることができるのが、「ホモ・サピエンス」たる所以だと思う。
余滴２０２０１１ＴＡ Ｒｅ：「風景７２」への返信
Re: 「風景７２」への返信 - 陽子
2020/11/24 (Tue) 09:24:52
そうねー、今回の新型コロナウイルスのパンデミックが私たちに問いかけていることの本質に気付かなければ、やがて自然からもっと手痛いしっぺ返しを受けることになると私も思うわ。
さて、「３密」を避けるように言われ、そしてこの行動が、「新しい生活様式」とまで言われているけれどどうかしら？ 「３密」を避けるのは感染の拡大を遅らすための方策であって、「生活様式」などと呼べるものではないと思う。
もし「３密」を避けることが「新しい生活様式」であれば、私たち人間は、仲間たちと濃密に接触をして暮らしている野生動物にも劣ることになるわ。自分たちに付けた「ホモ・サピエンス」などという呼称などは恥ずかしくて返上だわね。
「新しい生活様式」と呼ぶにふさわしいものがあるとすれば、それは、私たちが、経済発展を至上とする価値観を転換した先に見つける生き方だと思う。
しかし、ウイルスの感染拡大を遅らすための方策でさえ政治的思わくで行われ、一国の首相が、オリンピックの開催を「人類がウイルスに打ち勝った証」などと言っているようでは心配だわね。
余滴２０２０１１ＴＡ Ｒｅ：「風景７２」への返信